金融庁の調査によると、日本人は金融資産の半分以上を日本円の預金で保有しているそうです。
https://www.fsa.go.jp/singi/kakei/siryou/20170203/03.pdf
これは、日本人全員の資産の合計の半数ということなので、株式や投資信託で積極的に資産運用している人を考慮すると、金融資産の7割や8割以上を預金で保有しているという家計も多いのではないでしょうか。
理由は、銀行預金がいちばん安全だと考えているからでしょう。
株や投資信託はリスクがあるから現金がいちばん安全だ、と考えている人がとても多いです。
しかし、銀行預金にリスクがないというのは大きな間違いです。
銀行預金にもリスクがあります。
この記事では、そんな銀行預金のリスクを解説しています。
そのリスクを知らずに銀行預金をしている人の参考なる内容となっていますので、ぜひご覧ください。
銀行預金にリスクがないというのは大間違い【その危険性を解説】
ここでいう銀行預金とは、日本円で銀行口座に預けておくことです。郵便貯金や定期預金も含みます。
日本人の大半の人は、銀行預金にリスクがないと勘違いしています。しかし、銀行預金にもリスクがあります。
銀行の口座に円で預金することのリスクは以下2点です。
・インフレによる資産の目減り
・円安による資産の目減り
以下、それぞれについて解説していきます。
銀行預金の危険性①【インフレによる資産の目減り】
1つ目は、インフレによる資産の目減りです。
インフレとは、物の価値が上がることです。物価があがるということです。
例えば、食料品はもちろんのこと、日用品や宅配便料金、労働者の時給など、モノやサービスの値段が上がることです。
日本では、バブル崩壊以降、大きなインフレが起きていないため、あまり実感がないかもしれませんが、世界の国々はインフレが進んでいます。
そして、このインフレが起きるとお金の価値は目減りします。
なぜなら、モノやサービスの値段が上がると、同じお金なのに買える分が減ってしまうからです。
昔は1万円札で買えたものが、1万円札だけでは買えなくなるということですね。
1968年の大卒初任給は約3万円でした。1985年は約14万円、2018年では約21万円です。
昔は、月給3万円で生活できていたということです。それは、食料品や日用品も今の価格より安かったからです。しかし、現代では月給3万円で生活できませんよね。
まさに、これがインフレによるお金の目減りです。毎年少しずつだけども徐々に目減りし、数十年後になるとその大きさがわかるようになります。
昔は1円以下の金額を表す「銭」という単位が使われていましたが、いまでは使われることもありません。これもインフレを体感できる出来事かもしれません。
これが銀行預金のリスクの1つ目です。
ちなみに、資本主義経済においては、緩やかなインフレが好ましいとされており、政府がインフレに誘導します。
日本政府も年2%のインフレを目標にかかげて、様々な政策を実行しています。実際には、2%に及んでいませんがインフレに誘導していることは間違いありません。
銀行預金の危険性②【円安による資産の目減り】
2つ目は、円安による資産の目減りです。
円安とは、ほかの通貨と比べて円の価値が下がるということです。
例えば、1ドルを得るために100円必要だったのが、円安になると200円必要になるといった場合です。
食料品やエネルギー資源などの多くを輸入に頼っている日本では、円安になると海外のモノやサービスの値段があがります。
これまで100円で買えていたものが、200円出さないと買えなくなるということです。
つまり、銀行に預金していると、円安になった場合、海外のモノやサービスを買うための購買力が下がることになります。
海外旅行をイメージすると特にわかりやすいですね。
つまり、円安によってお金の価値が目減りするということです。
最後に
日本人の多くの人は、銀行預金にリスクがないと勘違いしています。しかし、実際には、以下2つの大きなリスクがあります。
・インフレによる資産の目減り
・円安による資産の目減り
銀行預金には、金額自体が変動しないかわりにそのお金の価値自体が変動するというリスクがあるということです。
株や投資信託はリスクがあるから、現金の方が安全というのは勘違いであるということです。
これを知っていれば、株や投資信託に対する考え方も変わるのではないでしょうか。
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