退職金、それは数十年間勤め上げた際にもらえるご褒美のようなものですかね。
数十年後に退職金がたっぷりもらえる予定の人(大企業や公務員など)もいれば、いっぽうで退職金なんてもらえないよ!という方(中小企業や外資系など)もいるかと思います。
いずれにせよ、
退職金がもらえるから定年まで我慢して勤め続ける!
退職金がたっぷりもらえる会社が羨ましい!と思っている人は多いのではないでしょうか?(私もずっとそう思ってました)
結論になってしまいますが、意外とそうでもないんですよ!
この記事では、お金の価値を正しく把握することで、退職金の価値はそれほどでもないということ解説しています。
退職金を過大評価している方が、正しくその価値を把握するきっかけになればと思います。
そしてこの考え方は、資産形成をしていく上でとてもとても大事になってきます。
退職金がもらえない?大丈夫。お金の価値を正しく把握する考え方。
「目の前の100万円」と「1年後の100万円」は価値が違う
退職金の価値の前に、お金の価値について理解する必要があります。
それは、「目の前の100万円」と「1年後の100万円」とでは価値が違うということです。「目の前の100万円」の方が価値が高いのです。
なぜか?
それは、お金には金利が発生するからです。
例えば、年利5%とすると、目の前の100万円は1年後には105万円です。
つまり、
「目の前の100万円」=「1年後の105万円」
ということです。
同じように考えると、2年後には、105万円×105%=110万2500円です。
これを繰り返すと10年後には、約160万円になります。
つまり
「目の前の100万円」=「10年後の160万円」
ということになります。
慣れないうちはピンとこないかもしれませんが、このようにお金の価値は時間経過を踏まえて「いつの価値か」でとらえることが大事です。
この考え方をすることで、以下のメリットがあります。
①将来もらう予定のお金の価値を過大評価しなくなる
②目の前のお金の価値を過小評価しなくなる
退職金はまさに①のパターンになりますね。
少し難しいかもしれませんので、具体的に解説していきます。
将来もらう予定のお金の価値を過大評価しなくなる
退職金を例に具体例に解説します。
会社員には退職金という制度があります。
これは、長く勤めれば勤めるほど沢山のお金がもらえるという言わば長年会社に貢献したご褒美といった制度ですね。特に定年まで勤めると退職金の金額もよりいっそう大きくなります。
例えば、ある大企業に定年まで勤めると2000万円程が退職金としてもらえます。
この2000万円についてどう思いますか?
大金ですよね?
こんなにもらえるなら定年まで勤めないと損、と思ったりしませんか?
考え方によって実はそうでもないんですよね。
特に若い人にとっては。
なぜなら、定年60歳でもらう退職金の金額は「将来の価値」だからです。
例えば、30歳の会社員の場合、
定年まであと30年間勤めると2000万がもらえるとします。
これに前述の考え方をあてはめると、年利5%の場合、
「30年後の2000万」=「目の前の470万円」
となります。
つまり、30年後にもらえる退職金2000万円は目の前にある470万円の価値しかないということです。
どうですか?あれ、以外とそんな価値しかないのかと思えてきませんか?
満員電車に揺られ、理不尽なストレスにも耐え、組織の歯車として定年まで勤め上げた対価が470万円と考えると、退職金に対するとらえ方も変わってくるのではないでしょうか。
違うパターンでも考えてみます。
例えば、「目の前の80万円」と「毎月2万円を積み立てる」を30年間年利5%で運用した場合も2000万円です。
つまり、今の会社を退職して、退職金がでない会社に転職したとしても、月給が2万円アップし、手元に80万円があれば、30年後の退職金2000万円に相当する価値があるととらえることができます。
この考え方ができると、退職金にしばられる必要がないと思えてきませんか?
(例)・転職すると退職金はなくなるが、給料が2万円あがるのでOK
・地方に移住すると給料はさがるが、生活費が2万円さがるのでOK
といった考え方もできるようになってきます。
もちろんないよりはあったほうが良いですよ。ただ、退職金の価値を正しく把握した上で、ものごとを判断していくということが重要だということです。
このように時間経過を踏まえて、お金の価値をとらえることで、退職金を過大評価せずに正しく評価することができます。
もうひとつのメリット「②目の前のお金の価値を過小評価しなくなる」については別の記事で解説しますね。
まとめ
・退職金の価値は、過大評価しすぎず正しく評価することが大事
・若い人にとって、退職金の価値はそれほどでもない
・「目の前のお金の価値」と、「将来のお金の価値」はイコールではない