この記事では住宅ローンの繰り上げ返済はオススメしない理由を解説しています。
最近、会社の自席近くでこんな会話が聞こえてきました。
同僚A「今月住宅ローンの繰り上げ返済200万したわ!(ドヤ顔)」
同僚B「住宅ローンはどんどん繰り上げ返済して、さっさと返した方がいいよね!」
芋リーマン「でもAさんが住宅ローン組んだのは最近ですよね、てことは金利も低いですよね。であれば200万円繰り上げ返済するより、株式や投資信託で運用した方がお得ですよ!繰り上げ返済ってほぼメリットないですよ。」
と心の中で思いましたが、さすがに声に出せませんでした。
仮に言ったとしても理解してもらえないどころが、ギャンブラー扱いされかねません。笑
実際のところ、住宅ローンはどんどん繰り上げ返済した方が得というのが、世間では多数派の認識なのかもしれません。
なんとなく繰り上げ返済した方が良いのではないか、と思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、、
住宅ローンの繰り上げ返済はオススメしません。
なぜなら、メリットがほぼないからです。
この記事では、オススメしない理由を解説しています。
住宅ローンの繰り上げ返済は不要。おすすめしません。
住宅ローンとは?
住宅ローンとはその名の通り、住宅を購入するときに利用するローンのことです。
普通の所得の人は、数千万円もする住宅を現金一括で購入できません。
そこで、銀行や住宅支援機構などから、住宅を担保にしてお金を貸してもらうわけです。
カードローンや車ローンに比べて、返済期間が長く金利が低いのが特徴です。
最近では、金利が0.5%を下回るものもありますね。
どれくらい利息をはらうのか。
金利が低いのが特徴ですが、具体的にはどれくらいの利息をはらうことになるのでしょうか。
(例)
・金利 0.7%
・借入額 4000万円
・返済期間 35年
上記ケースの場合に支払う利息は、合計で以下になります。
・利息総額 約511万円
これを安いと感じるか、高いと感じるかはひとそれぞれかと思いますが、史上最低レベルの低金利が続いており、過去と比べると非常に安いということは言えます。
なお、上記の利息総額は、35年間で返済した場合なので、繰り上げ返済をして短い期間で返済した場合は、支払う利息もそのぶん少なくなります。
住宅ローンの繰り上げ返済とは
住宅ローンの繰り上げ返済とは、その名の通り、毎月の支払いに加えて返済を行うことです。
例えば、毎月10万円の支払いに加えて、手元にある100万円を返済にあてるといった場合ですね。
なぜ繰り上げ返済を行うかというと、早く返済すればするほど利息が減るからですね。
なるべく早く返済して払う利息を少しでも減らしたいという人が繰り上げ返済を行うケースが多いと思います。
繰り上げ返済には、「期間短縮型」と「返済額減額型」の2種類の方法があります。
以降は、それぞれの方法の効果を説明していきます。
住宅ローンの繰り上げ返済の効果は?
住宅ローンの繰り上げ返済には以下2種類の方法があります。
・期間短縮型
・返済額減額型
期間短縮型による効果
繰り上げ返済した分だけ、住宅ローンの返済期間が短くなります。
毎月の返済額は変わりません。
例えば、残りの返済期間が30年の状態で、100万円を繰り上げ返済すると、残りの返済期間が29年になるといったような効果があります。
つまり、、、
毎月の返済額は変わらないため、日々の暮らしは楽にはなりません。さらに、繰り上げ返済の恩恵を受けられるのは、29年後ということです。
いかがでしょうか?
100万円という大金を払った割に、効果が薄いと感じませんか?
返済額減額型による効果
繰り上げ返済した分だけ、毎月のローン返済額が少なくなります。
残り30年の状態で、100万円を繰り上げ返済すると、残り30年なのは変わりませんが、毎月の返済額が3000 円少なくなるといった効果があります。
つまり、こちらの場合は、繰り上げ返済の恩恵をすぐに受けられるものの、微々たるものです。。
100万円という大金を払ったにもかかわらず、毎月の支払いが3000円少なくなるだけです。
効果が薄いと思いませんか??
いずれの方式であっても効果は薄い。
手元の数百万という大きなお金をつぎ込んだ割に、効果がとても薄いというのが私の考えです。
これなら、その数百万は、株式や債権で運用したり、いざという時のための現金として手元に置いておく方が良いと思います。繰り上げ返済してしまったお金は、いざお金が必要になったとしても使うことはできません。
住宅ローンの繰り上げ返済のメリット
住宅ローンの繰り上げのメリットがほぼないことを説明しましたが、考えられるメリットはないのか?
あるとすれば、以下2点です。
・借金しているという状態が落ち着かない人
・高金利で借りた人
借金しているという状態が落ち着かない人
住宅ローンは、もちろん借金です。それも数千万という大金です。
中には、借金をしているという状態が不安で、どうしても落ち着かない、早く返済してしまいたい、という人がいます。
この場合は、繰り上げ返済によって借金によるストレスを減らしていけるというメリットがあります。
高金利で住宅ローンを借りた人
繰り上げ返済の効果が薄いと説明しましたが、前提として1%前後の金利で借りた場合です。昔の金利が高い時代に住宅ローンを組んだ場合は、繰り上げ返済による返済額の減少が大きくなるので効果があります。
ただ、その場合は繰り上げ返済のために借り換えを検討した方がよいですね。
まとめ
・住宅ローンの繰り上げ返済は大金をはらう割にメリットがなく、おすすめしない
・繰り上げ返済をするより、資産運用や生活防衛資金として使う方がおすすめ
・借金をしている状態がストレスで早く返済したい人にとってはあり